「ポラリス」は平成15年12月にFDAの510K承認(下段右側のニュースリリース注!)を取得して 米国での販売が認められた医療器械です。
それなのに、この事実を曲げて「シワやたるみ・リフトアップに対する効果をFDAが承認した!」と書かれている広告や記事が散見されますが、
少なくとも平成15年 · 平成16年時点ではそれは誤りです。
FDAがこのように効果についての承認をするには米国国内での一定期間に渡る臨床データが必要で、この時点においては承認というより
申請の対象にすらなっていないはずです。
ポラリスが優れた医療器械であるだけに、このような広告宣伝は機械の評価と現実とのギャップを消費者に植えつける結果となり、 この製品の健全な発展に支障をきたすおそれがあります。この製品を取り扱っている医療機関さんはぜひ、製品の価値に自信を持って 真実を書くようにしてください。
Syneron Medical社とその子会社である北アメリカのSyneron社は、米国FDAより510Kの承認を「ポラリスWR」で取得したと 発表しました。これは、非侵略的なしわの治療におけるものです。これにより、同社のポラリスシリーズは「ポラリスDS」の除毛、 「ポラリスLV」の血管・脚静脈の治療での承認に続く三番目のFDAによる承認となります。
ピグワイ編集部(注)
510K承認とは「Premarket Notification(出荷前証明)」とも呼ばれているもの。 米国において医療機械・医療用具等を販売するためには、その性能の安定性や安全性を出荷90日前(うろ覚えですが)までに承認を受けておく 決まりになっています。この承認を与えるのがFDAで、この承認のことを510K承認と呼んでいます。
すなわち、非侵略的なしわの治療に使ってもらう目的でイスラエルのメーカーが開発した「ポラリス」という医療器械は、 平成15年12月に米国市場での販売許可を取得したということです。
参照:http://www.fda.gov/cdrh/devadvice/314.html
(米国FDAのHPより:英文 )
CEマークとはEC圏内(ヨーロッパ諸国)に機械を輸出するときに表示を義務付けられている印で、ECの規格基準に適合していること、 賠償責任の対象者の存在を製造者が宣告した証書のようなものです。ですからこれも、輸出許可証のようなものです。
「Polaris(ポラリス)」シリーズには3種類あり、「ポラリス WR」が非侵襲性のシワの縮小用、「ポラリス LV」が脚の静脈瘤用、 そして「ポラリス DS」が脱毛用として発売されています。
「ポラリス」シリーズは、ダイオードレーザーとRF(ラジオ波)を同時照射するのが特徴。 光エネルギーと電気的エネルギーを組み合わせることで高い効果を発揮することができると、開発担当者は述べています。
簡単にかつ乱暴な言い方をすると、ポラリスは上皮と真皮、皮下組織を同時に破壊し再生を促進させる機械ということができます。 真皮の一部と上皮を破壊するのが「ダイオードレーザー」で、真皮と皮下組織を破壊するのが「ラジオ波」というわけです。
これまでシワの治療には有効な方法がなかったために、波長900mnのダイオードや波長1,064mnのNd:YAGが用いられてきました。
いずれもレーザーの波長が真皮層まで届くため、細胞を一度破壊し再生させる方法として重宝されていました。
経験のある人も多いでしょうが、レーザーで脱毛をすると直後にお肌が引き締まったように感じます。
これは表皮に近い細胞が破壊されることで一時的にシュリンクするために起こることで、いわば表皮のやけどです。
これがかつてのシワ(というより「たるみ」)の治療と呼ばれるものです。
この効果は一時的なもので、すぐにもとのシワシワ状態、たるみ状態に戻ってしまいます。 というのも、私たちの細胞は常に新陳代謝を繰り返していて、新しい細胞に押し出されるようにして古い細胞は、垢となって体外に放出されて 入れ替わるからです。
そのため、本当の効果を提供するために、もっと深部までエネルギーを浸透させコラーゲンやエスチレンの再生を促進させる「ラジオ波」が 利用されるようになったのです。「ラジオ波」の大きな特徴は、最終目的地に到達するまで周りの細胞に傷害を与えずに真っ直ぐ 寄り道せずに浸透することが可能だということです。
一方のダイオードやNd:YAGによるシワの治療では、目標とする皮膚の奥深くの細胞にエネルギーが到達するまでに、 どんどん周りの組織に吸収されていってしまい、結果として最終目的地点には少ししか到達しないということです。 周りの細胞にどんどん吸収されてしまうということは、周りの細胞を破壊しながらエネルギーが浸透しているということ を意味します。そのため、お肌や細胞はダメージを受けたけれども、実際にシワやお肌の再生に必要な部分までにはしっかりとした影響を 与えられないということになります。
まず、結論から書きますが、それぞれを導入している3つのクリニックで調査したところ、お肌へのダメージという点 ではレーザーを併用しない「サーマクール」の方が安全で、痛みという点ではエネルギーの弱い「ポラリス」の方が ずっと緩やかだということです。
ポラリスのほうが痛かったという声を最近耳にしました。 特定のクリニックに偏っているようなので、施術者の技術によるのでしょうか?それとも、サーマクールは平成16年夏以降から照射の方法が変わった(医師による照射を行っていない ところは変えられないと思いますが)ため、痛みがかなり緩和されたことによるものでしょうか。(平成17年7月文章改定)
そして瞬間的な効果は、「Nd:YAG」「ダイオード」「ポラリス」のほうが「サーマクール」よりもあると思います。 持続性という点では「サーマクール」のほうがあります。
「ポラリス」は「ラジオ波」と「ダイオード」を併用するという点で、即効性と最終効果の両方を狙った医療機械ということができます。 ただ残念なことに、ラジオ波単体の「サーマクール」に比べ弱いエネルギーしか出せないため最終的な結果は「サーマクール」に劣ります。 そのため、「ポラリス」の場合には、複数回の照射を推奨していますね。
また、エネルギーの浸透段階で「ダイオード」による皮膚の傷害が顕著になりますので、安全にかつ効果的な結果を導き出すためには 施術者の技術力に大きく左右されます。
非常に浅いシワだったら、「ポラリス」のほうが良いかもしれません。「ポラリス」を3〜4回照射するほうが「サーマクール」1回分よりも 安くあがるでしょうから。(平成17年7月16日文章改定)
機械本体を購入する側から言うと、いずれも医師の個人輸入という形式を取り、 価格は「ポラリス」のほうが「サーマクール」よりも安く手に入り ます。とはいえ、いずれも高価なことには違いがないのですが・・・。クリニック側にとって一番大きなメリットは、消耗品がサーマクールに比べ 格段に少なくランニングコストが非常に安く済むこと。レーザー脱毛機並みです。このメーカーの姿勢は非常に好感が持てます。
「サーマクール」のメーカー側の資料によると、サーマクールはその効果がじわじわと半年くらい掛けて最盛期となるので、 1ヶ月以内の再照射は絶対に避けてほしいとの事です。なぜなら、半年たってはじめてわかったことなのですが、何度も照射したことで逆にシワが 伸びすぎ、釣り上がったあまりに不自然な顔になる症例が欧米で発表されたからということでした。 ですから、ルールとして2ヶ月〜3ヶ月間(状況により1ヶ月)は空けないと同一箇所に再照射は行えない、行ってはならないということになります。
でも、「サーマクール」と「ポラリス」の併用が効果的として薦めるクリニックがあります。
これは、「サーマクール」と「ポラリス」のラジオ波の到達ポイントと照射エネルギーが異なるからできるとしているのですが、 「サーマクール」を非常に低い出力で照射するなら別ですが、それだったら何も「サーマクール」じゃなく「ポラリス」だけで十分 ですよね。
平成16年夏、サーマクール治療では「トリートメントアルゴリズム」という方式が発表され、日本人の肌には非常に高い効果が出ることが わかりました。これについてはサーマクールの解説ページで詳しく書いていますが、 「フェイスリフトの原則に則って、必要な部位に複数回照射を同時に行うというものです。ただし、出力は弱めにして。」 この方式が発表されると、なおのこと、併用する必要がどこにあるの??です。
より強くより深いところに浸透するのが「サーマクール」、浅いところで弱く浸透するのが「ポラリス」です。 実際の効果として、両方を併用することのメリットはありませんし、本来ないはずのリスクを高めることになります。 ましてやお金のムダでもあります。
どうしても複数の医療機械を利用したいというのであれば、「ポラリス」と「コスメカニック(エル6、リフト6)」を併用するか、 あるいは「Nd:YAG・ダイオード」と「サーマクール」の併用の方が安全です。何の意味があるのか??ですが。
かりに「ポラリス」と「サーマクール」を併用して半年後、顔の皮膚がつりあがってしまってもそれは貴女の自己責任。 推奨したクリニック側に責任を取ってもらうことはまず、無理です。 ラジオ波はその場でスグに最終効果が把握できないために、複数回照射というものの怖さが潜んでいることは自覚した上で、 責任はあなた自身がかぶることを十分に理解してから施術に望んでください。 同じことをやっても、効果が出やすい人と出にくい人がいます。そしてそれは、やってみないとわかりません。
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